アリーナ
あたしがこのまま引き下がると思ったら大間違いよ。こんな生活に飽き飽きしてたところなんだから。よしっいくわよっ!はぁぁぁ・・ハァッ!
アリーナは部屋の壁を破壊した!
兵士
何の音だ!? アリーナ姫の部屋の方からか?!
クリフト
どうしたんですか!すごい音が聞こえましたが!?
兵士
あ!クリフト様!アリーナ様の部屋の方から爆音が!
クリフト
えっ!姫様ッ!
アリーナ
あちゃあ。手加減したつもりなのに。結構、派手にイッちゃったわね‥
クリフト
姫様!ご無事ですかッ!扉を開けて下さい!
アリーナ
やっば!
アリーナは穴の開いた壁から部屋を抜け出した!
アリーナが城を抜け出したことは、程なくして城内に知れ渡った。
アリーナ
ふぃーっ、これよこれ!外の新鮮な空気!これで口うるさい爺やからも開放ねっ♪
シケタ村では、アンルシアがしぶしぶアリナハン城へ向かおうとしていた‥
アンルシア
あぁー何でアタシなんだよー。
アリーナ
すみません、ちょっといいかしら?
アンルシア
え?何ですか?
アリーナ
ワクテカさんのお家ってどこかわかるかしら?
アンルシア
どこって、あたしん家ですけど。
アリーナ
じゃあ、あなたがアンルシアさん!?
アンルシア
そうだけど。
アリーナ
ちょーど良かった!あなたの家に行こうと思ってたところだったの!
アンルシア
あ、保険の勧誘とかなら間に合ってますよ。ちょっと野暮用でアリナハンまで行って来なきゃなんなくて。
アリーナ
そのアリナハンからあなたに用事があって来・た・のっ。勇者の当選おめでとー!
アンルシア
はい~~~? ど、どゆこと?
アリーナ
わたしね、アリーナっていうの。よろしくね!
アンルシア
アリーナ!?って・・ま、まさかアリーナ姫?!
アリーナ
そうよっ。あなたが城に来るのを待ちきれなくて、一人で来ちゃった!
アンルシア
いやいやいや!来ちゃったって、ヤバイんじゃないんですか?!
アリーナ
いいのよ別に。わたしの権限で勝手に来たんだから。
アンルシア
それはそうと、勇者当選とか言ってましたけど?
アリーナ
あなたはくじ引きで勇者に当選したの。
アンルシア
く、くじ引きぃ!?
アリーナ
そ。だから魔王を滅ぼさなきゃならないの。
アンルシア
いやいや「だから」の意味がわかんないし!なにそれ!?
アリーナ
国で決めたことなんだもん。
アンルシア
それであたしん家に特命書が送られてきたってことですか?
アリーナ
ま、そういうことになるわね。
アンルシア
くじ引きで勇者って、常識的にありえないでしょ!?
アリーナ
そうかしら?面白そうと思ったんだけど。
アンルシア
じゃあ丁度いいや。あたし、勇者辞退します。申し訳ないですけど。
アリーナ
ダメよ。
アンルシア
なんでですか!?
アリーナ
法律で決まってるんだもの。特命書の約款に書いてあったはずよ?
勇者制度ではあらゆる理由があろうとも、勇者へ任命された者はその職務を全うしなければ辞めることも権利を譲渡・放棄することも出来ない。
アンルシア
なにそれ!カーチャン、そんなこと教えてくれなかった!じゃ、転職すらできないの?
アリーナ
そういうことね。
アンルシア
うわぁ。終わった・・。あたしの人生オワッタぁぁぁぁ
つづく
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